創り手をめぐる「Roots of wamca」 #02 ハーブ調合師が願うこと
今回、wamcaの4種類のハーブブレンドを監修してくださったのは、伊吹山の薬草を育てながら、植物の力を伝え続けるKayoさん。
薬草との出会いから、ブレンド開発に込めた想いまで、お話を伺いました。
「整える」よりも、「元に戻る」
—お仕事をする上で、大切にしていることは何ですか?
私は「整える」というよりも、"本来の自分に戻っていく"そんな感覚をとても大切にしています。
植物やハーブは、人に何かを足してくれるというより、その人が本来持っている力を思い出させてくれる存在です。だからこそ、自分の「しんどい」という内側の声に耳を傾けながら、植物の力を借りて元に戻っていく。そんな時間を届けたいと思っています。
その想いが伝わるように、言葉の選び方や伝え方も日々大切にしています。
一人の看護師さんとの出会いが、確信に変わった。
—なぜ植物というアプローチに可能性を感じたのでしょうか?
きっかけは、自分自身の体験でした。
薬草について学び始めた頃、心も身体も疲れ切っていた看護師さんに体験していただく機会がありました。すると、その方も私自身が感じたのと同じような変化を感じてくださったんです。「あ、やっぱり植物には力がある。」そう確信しました。
さらに、温熱治療に携わる方から「薬草によって身体は変わっていく」という話を聞き、実際に変わっていく人たちを目の当たりにしました。
自分も体感し、人の変化も見た。だからこそ、この植物の力をもっと多くの人へ届けたいと思うようになりました。特に、子育てや仕事を頑張るお母さんたちに、心も身体もゆるめる時間を届けたい。その想いが今も原点です。
自然は、お互いを支え合って生きている。
—植物と向き合う中で感じる魅力はありますか?
自然を見ていると、植物も動物も、お互いを必要としながら生きていることを日々感じます。
例えば植物の毒で荒れてしまった時には動物の油が役立ったり、逆に動物由来のものには植物が力を貸してくれたり。自然界には支え合いがあります。人間もその延長線上にいる。植物が人の身体へ与える影響は、本当に大きいんです。それは自分自身の身体でも、お客様の変化でも実感してきました。
香りだけでは終わらないブレンドを目指して。
—今回のブレンドでこだわったことはありますか?
まず大切にしたのは、wamcaさんからいただいたコンセプトを、香りとして表現することです。そして、洋風ハーブと伊吹山の薬草を組み合わせることで、香りの心地よさと薬草本来の力、その両方を実現しました。
伊吹山の薬草が土台となり、そこへテーマごとに必要なハーブを重ねています。さらに意識したのは、乾燥した状態ではなく、実際に煮立たせた後に広がる香り。30分後まで心地よさが続くよう、何度も試作を重ねました。
一般的なハーブとの違いは、できるだけ野生に近い植物を選んでいること。乾燥も一気には行いません。時間をかけて自然乾燥させ、湿度を調整しながら、植物本来の香りや成分を守っています。
また、葉だけではなく「軸」まで使うことも大切にしています。見た目は葉だけの方が美しいかもしれません。でも植物は長い時間をかけて、大地のエネルギーを軸へ通して成長します。その軸があるからこそ、20〜30分経っても香りが続く。料理でいう骨付きスープのように、深みのある香りになるんです。
—おすすめの選び方はありますか?
もちろんコンセプトもありますが、最後は「心地いい」と感じる香りを選んでほしい。嗅覚は脳へダイレクトに届く感覚です。だから理屈よりも、自分が好きだと思える香りを選ぶことをおすすめしています。
頑張る人ほど、休むことを大切に。
—最後に、このブレンドをどんな方へ届けたいですか?
子育ても、仕事も、介護も。今の時代は、本当に頑張りすぎている女性が多いと感じています。私は、お母さんは太陽のような存在だと思っています。その人が元気になることで、家庭も地域も明るくなっていく。だからまずは、自分自身を休ませてほしい。頑張る人ほど、休むことに罪悪感を抱いてしまうかもしれません。でも、自分を緩める時間があるからこそ、本当に好きなことへ前向きなエネルギーを向けられる。
「本当は嫌だったんだ。」「私はこれが好きなんだ。」んな気づきも、心に余白があるから生まれるものです。このハーブが、そんな"緩む時間"のきっかけになれば嬉しいです。
【取材協力】wamcaハーブ調合師 Kayoさん
自分自身のアレルギーをきっかけに約8年前から、伊吹山の薬草をベースにした商品づくりを開始。もともとは「薬だけではなく、自分の身体そのものを整えたい。」
その思いから、植物について学び始めたことが現在の仕事につながってる。

